あんがい古風なところも
2016/04/03
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写真はLunt-Fontanne Theatreの緞帳(という呼び方が好き)、カーテンです。
最近のミュージカルって一目見て作品が分かるようなカーテンを用意してあることが多いですよね。
ちなみに同じ劇場でMotown the Musicalを上演していた時のカーテンはこんなでした。
やはり作品がひと目で分かるようになっていたのです。
一方でFinding Neverlandでは作品名などパッと見て作品に結びつくようなカーテンではありません。
今のような技術がなく大掛かりな舞台転換には人手も時間も必要だった頃は、カーテンを下ろした前で芝居を続けながら舞台装置の変更を行うための曲が大抵1曲はあったそうです。
どうしても必要というわけではないでしょうが、Finding Neverlandでもこのカーテンを使った演出が何度か出てきます。
フック船長誕生の瞬間を匂わせるような演出も、このカーテンを絡めて見られます。
ピーターパンという舞台が誕生した1900年代初頭をおもわせるというと言いすぎでしょうが、どこか懐かしさを感じさせる作品の雰囲気づくりに一役かっています。
開演前のアイキャッチ的存在以上に活躍させるために、作品名などを入れないカーテンになっているわけです。
Finding Neverlandではプロジェクターによる映像の投影やラストの見せ場でもテクノロジーを利用したりと現代的な手法を用いる一方で、このようなオーソドックスな演出も見られるなど適材適所でうまく利用されています。
演出家は2015年に来日したリバイバル版のPippinでトニー賞を受賞したDiane Paulusで、フライングシーンで吊るさない地味な演出もあえてやっているとしか思えませんね。
だってPippinではあんなに派手に演出していたんですから。