シルヴィアとピーターとネバーランド
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ヒロイン役のLaura Michelle Kelly、Finding Neverlandではマシューとラブソングを歌ったり、4人の母親として子守唄を歌ったり、アンサンブルナンバーではコミカルなところも披露したりで大活躍です。
ちなみに、この2幕の”What You Mean to Me”の次のフレーズ、
“Just take the second star on the right straight ahead till morning light”
この部分はピーターパンからの引用です。
きっとセリフなど他にもたくさんあると思うのですが、今のところこのぐらいしか気付けておりません。
ローラの演技で特に印象に残っているのが、クライマックス、ダーリング家ベットルームでのピーターパンの上演を見る場面。
病状も進行していて、おそらくは死を覚悟しているシルヴィアのピーターパンを見る反応がどんどん子供のようになっていくのです。
(いや、もうこの辺から号泣ですよ…)
シルヴィア役はほんとうに重要です。
彼女の出来で舞台の印象は大きく変わるはず。
1年前、マシューとケルシーばかりが話題でしたが、ローラこそがこの舞台の要だと声を大にして言っておきます。
ローラの最大の見せ場、というかこの舞台の最大の見せ場、Neverland(Reprise)の最後の部分の歌詞です。
正直、ここの訳は難しい。
あくまで、私にはこう聞こえますという感じです。
ジェームス
That is Neverland.
これがネバーランドだよ
Picture a land
想像してごらん
That you never have seen
そこは訪れたことがない場所
Where life is eternal and evergreen
永遠の命 終わらない青春
A future of happiness all in your hands
手にするものはしあわせな未来
All in this place of your dreams
全てが夢に見た世界
Here inside Neverland
それこそがネバーランド
シルヴィア
Shooting stars new shapes and sizes
様々な姿の星が流れ
Wakenings and new surprises
新たな目覚めや驚きによって
Opening my eyes to something happening
何かが始まる予感に包まれる
コーラス
You just close your eyes and count to ten
瞳を閉じて 10数え
Breath in twice and open them
深呼吸を2回して 目を開ければ
You know where to go
旅立つ先は懐かしい
You have been there before in your heart…
かつて過ごした夢の世界
ピーター
And by closing my eyes I’ll be finding Neverland
目を閉じて ボクも探すよ! ネバーランド…
彼女の死を暗示させるシーンです。
子供に戻ったことにより彼女はネバーランドへ旅立ち、一方で子供達(少なくとも長男のジョージとピーター)は母親の死を経験することで大人になるのです。
ピーターはジェームスに尋ねます、
「なぜ母さんは死んだの?」
「それは分からない。けど彼女はネバーランドにいるんだ。会いたければいつでも会えるんだよ。」
「母さんが見えるよ」
これはピーターの少年時代との決別。
空想することは単なる現実逃避ではなく、つらいこともたくさんある現実と折り合いを付けるための術なんだと気付く。
ある意味、ほろ苦い結末といえます。
子供の頃は誰もが行けるネバーランド、大人にとっては死後に再び訪れる世界。
ピーターパンと合わせて解釈するとそういうことなのかな?
ディズニーの映画じゃなく、原作を読む必要がありそうです。