ツアー版シュレックとBW版ソフトの謎
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BW公演版ソフトを見る前にマカオでツアー版のShrek the Musicalを見たわけですが、先にソフトで見なくて良かった!
順番が逆だと全く満足できなったに違いない。
マカオ公演では”おもしろいけどファミリーミュージカル好き以外にはオススメできない”という印象。
同じ台本と楽曲でもこれほど変わるんだ!という貴重な体験になりました。
せめて客席が埋まっていればだいぶ印象違ったと思うんですけどね。
おそらく2割前後と思われる客入りでは、結果として必要以上に冷静に分析モードで(というかあら捜し的に)観劇スタイルになってしまって…
まずキャストがBW公演と比べて圧倒的に弱い。
特にフィオナ姫。サットン・フォスターは物凄くアクの強いプリンセスでしたが、マカオ公演のフィオナ姫はまるでディズニープリンセス!というような正統派。
そして、そこが同じファミリーミュージカルでありながら出演者にかかわらずある程度のクオリティが担保されている(されやすい)ディズニーミュージカルとの最大の相違点だなと。
明らかにキャストの個性が大きく影響するもの。
サットン・フォスターのフィオナ姫を見る限り、単に演技力だけの問題じゃないと思うな。
演出はかなり違います。
常設劇場でのロングラン前提の演出は、短期公演で移動を繰り返すツアーにはそのままもっていけないものもあるのでしょう。
これが最初のツアーというわけでもないし、舞台装置はかなり簡素化されているんだろうなぁと思いながら見ていたのですが、BW公演版を見るとそれだけではなかった。
- プロジェクターによる背景映写で装置は最小限
- 導入部にシュレックの旅立ちだけでなくフィオナ姫の旅立ち(というか幽閉w)が追加されている
- フォークアード卿がフィオナ姫の存在知るシーンでマジックミラーが出てこない
- ドラゴンの表現が大きく変更
大きな変更で覚えているのはこのぐらい。
1のプロジェクターを使用した背景描写などの演出は他の作品でもよく見かけます。
ですが今回は実物セットが少なすぎてチープ感満載、演出効果というよりコスト削減のためなのがバレバレ。
せめてオリジナル公演を見ていない人間には安っぽさが感じられないようにうまくやってほしいところです。
コストカットによる演出変更はツアー版招聘が多い来日公演でも頻出でしょうが、最低限比較対象がない人達は満足させられる物であってほしい。
2はネットを探してみたらありました。
他のツアー版動画でBig Bright Beautiful Worldにフィオナ姫が登場しないものがあったので、途中で加えられた変更なのでしょうか?
マカオ公演ではシュレックとフィオナ姫の2人がそれぞれのストーリブックを読み聞かせる形式で、シュレック→フィオナ姫→シュレック(上の動画ではココまで)→フィオナ姫→シュレックと更にやり取りが長くなっていました。
お互いに相手の本を奪い取ってステージ横に放り投げるのことで、2人の物語がチェンジw
フィオナ姫が導入部から登場する演出はI Know It’s Todayでの登場シーンのインパクトを弱めてしまうというマイナス面もあります。
ですが、今回の公演では3のマジックミラーも登場しないし、I Know It’s Todayまで引っ張ってもBW公演版でのサットン・フォスター登場時ほどが客席が盛り上がることもなさそう。(サットンはBWスターだし観客もそれを理解している人が多いから)
更に2幕でシュレックがフィオナ姫にも自分と同じような過去があった事を知り、彼女と仲良くなるシーンI Think I Got You Beatがあることを考えるとこの変更は悪くない。
3のマジックミラーのシーンの動画が見つかリませんでしたが、これ何でカットされたのかよくわからない。
BW版でマジックミラーはプロジェクター演出で表現されていて、これこそプロジェクターの正しい使い方だと思うのですが。
コストカットのため?代わりにジンジャーブレッドマンの尋問シーンでフィオナ姫の存在を聞き出していた…はず。
4のドラゴンの変更がコレ。BW公演時は超巨大なドラゴン!ではありますが首から上だけが舞台上にあって、その横でドラゴンガールズが歌い骸骨が踊っていました。
それがナショナルツアー以降は上の動画のように長崎の蛇踊り的なドラゴンになってドラゴンの歌声はオフボイスに変更されたようです。(カテコではドラゴンの声の人も等身大のドラゴン衣装で登場)
そしてドラゴンがステージ上でドンキーを追い回すのです。これがまさに蛇踊りでw
骸骨も過去にドラゴンのコレクションに加えられた騎士達(の亡霊ですかね?)に変わり、首と手をつながれた状態でコーラスとして加わっています。
曲自体もBW公演ではDonkey Pot Pie、ツアーからはForeverに差し替えられています。
これだけはBW公演から進化した演出変更と言い切ります!
絶対にこっちの方がいい。
West Endへのトランスファー時もこのドラゴンの変更はツアーから引き継がれていることからして、制作陣もそう考えている事は間違いないはず。
その他細かいところでは、
- What’s Up, Duloc?の冒頭でBW公演だと最初は城の上にいたフォークアード卿が降りてきて初めて極端に背が低い事が分かるというシーンで、城のセットがない。(これも予算問題でしょう)
それは確かなんですが、じゃあフォークアード卿がチビなのはどうやって隠していいたのか?が記憶にないw
衛兵たちが前列に並んでいてその後ろでフォークアード卿の中の人が立ち上がっていたような気もするのですが… - ドンキーのトラベルソングでライオンキングのパロがない、というかBW公演時に後ろでどんどん流れていくセット自体がない(これも予算か…)
- フィオナ姫を迎えに来るフォークアード卿が乗っている馬の名前がドナルド・トランプw(BW公演ではプラスティックホース)
これ隣で見ていた白人の少女にバカウケでした。I Know It’s Today の “How I wonder does she pee?”は笑ってなかったのに。 - 2幕のThe Ballad of Farquaadの前のシーンで結婚を控えたフォークアード卿がビヨンセのSingle Ladiesの真似で笑いを取っていた。(これも隣の少女に大受け)
- フィオナ姫がオーガの姿になった時の表現。マカオ公演では緑色の目出し帽的な被り物をし目と口の周りだけ緑色に塗っていましたが、ソフトを見るとサットン・フォスターはWickedのエルファバ的にメイクしている。(そして両方共着包みを着て少し太らせています)
最後のBW公演ソフト版でのフィオナ姫のオーガモードへの早変わりは謎でした。
フィオナ姫がオーガの姿で登場するのは次の3箇所です。
- 1幕最後のWho I’d Be
- 2幕でデューロック到着前夜にドンキーに真の姿を目撃され真実を告げる話をシュレックに聞かれてしまうシーン
- 最後の結婚式シーンで衆人を前にした変身後
マカオ公演では、1はその前にフィオナ姫にとって十分な時間があるのでちゃんとメイクをして現れます。
2はドンキーとフィオナ姫が話をする小屋のセットはスクリーン向こうでぼやけてしか見えず、しかもフィオナ姫は後ろ姿。要するにダブル(別人で声はアテレコ)です。
3ですがピノキオ達が乗り込んでくる時に一旦舞台からはけたフィオナ姫が再度入ってきますがずっと後ろ姿のままです。(ここはソフトでも分かります)
さらには変身シーンは激しくスモークが焚かれてオーガ姿のフィオナ姫が姿を表します。つまりここもダブル。
代役を使って時間を稼いでもエルファバばりにスプレーで化粧するのは無理なんじゃないでしょうか?だからマカオ版ではシュレックは完全に緑化粧なのにフィオナ姫は目出し帽なんだと思っていました。
ところがBW公演のソフトを見ると2でも緑化粧のサットン・フォスターがしっかりと写り、3でも後ろ姿しか見せていなかったフィオナ姫を前から移すカットがマカオ公演でのスモーク位置(のはず)に挿入され、まさかの超早変わり(早化粧)なのです。
最初見た時かなり驚き、BWスゲー!と思ったのですが、Wikiに答えがありました。
The performance is an edit of several live performances as well as a performance shot without an audience.
つまり、このソフトは何回か収録された公演と観客なしのパフォーマンスを撮影したものとを編集したものなのです。
この観客なしのパフォーマンスというのはサットン・フォスターの完全オーガ形態での登場シーンを収録するためのもので間違いないはず。
それを編集することで実際の舞台では不可能な早変わりを実現していると推測。
観客から一定の距離がある舞台と違い、カメラで寄ったアップシーンも入るソフト版としては目出し帽でのオーガ形態は流石に見栄えが悪いという判断じゃないかな?
BW公演を生で見た方からの「サットンのオーガモードも目出し帽だった」という裏付け証言をお待ちしていますw