Finding Neverland ツアー版の変更は何のために?

      2017/10/14

Finding Neverland 来日公演。初日、2日目、最終日で5回、BW公演3回を合わせると計8回観劇しました。コチラにまとめたようにツアー版にはBW版からかなりの変更が加えられています。
なぜツアー版で変更が加えられたのかを考えてみました。

ピーターパンが題材になっているとはいえ子供向けとは言い難い少し重い雰囲気の映画をミュージカル化するにあたって、ファミリーミュージカル的作風にすることで大幅に明るくなったのがBW版。大人も子供も楽しめるようにしてより多くの観客を呼び込みたいという意図があったのでしょうが批評家受けは悪く、どっち付かずで中途半端といわれたりもしました。私にとってはそのバランスこそがFNLの大きな魅力なのですが。
ただ学校が休みのホリデーシーズンに比べるとそれ以外の時期の売上は厳しかったようで、2015年3月に開幕したBW公演は2016年8月、夏休みの終わりに合わせて閉幕しました。
この結果を踏まえて米国内ツアーを立ち上げる際に、ミュージカルの聖地Broadwayとは客層も異なるであろう地方を回るツアー版では普通の家族連れを最重視すべきと制作スタッフは判断し、よりファミリーミュージカルとしての側面を強めることにしたのではないか?
その結果、1幕最初の部分と2幕のラストに大きな変更が加えられ、BW版に比べて更に明るいツアー版のFinding Neverlandが誕生した。
原作映画にあったかすかな重苦しさは、もはやどこにもありません。

私自身は少し暗い印象の原作映画と明るく楽しいツアー版、その中間にあるBW版の絶妙なバランスが素晴らしく大好きなのですが、これは2年間サントラを聞き続け反芻してきたBW版への思い入れの大きさによるもの。ツアー版での変更が必ずしも改悪だとは思いません。
来日公演の感想でサントラにはWelcome to Londonがなくて残念という声も見かけましたし、好みは人それぞれ。それに誰だって初見時が一番感動します。来日版で初めて見た人達にとってはツアー版Finding Neverlandとキャストがオリジナルですよね。
来日公演の上演期間中、ネット上の予想外の反響の大きさと絶賛の嵐に驚きながらもファンとしては本当に嬉しかったし、とても楽しく充実した2週間でした。

願わくば遅れに遅れているWE公演が無事実現し、是非UKツアーに来日していただきたい。
…のですが様々な状況を考えると可能性は低いと言わざるをえないのが残念です。

上の写真は千秋楽のカーテンコールです。

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