Finding Neverland はMary Poppins である

      2016/04/02

なるべく致命的なネタバレをしないようにしていますが、これからFinding Neverlandを見に行かれる予定のある方は観劇後に読まれることをおすすめします。
特に原作映画も見ず、事前情報をシャットアウトして楽しみにしておられる方。
ぜひ先に舞台をご覧になってください!
ネタバレを気にしない方は原作映画を見た程度の予備知識があることを想定した内容となっております。

Finding Neverlandはディズニーミュージカル調ですが、その中でも特にMary Poppinsに近い香りを感じます。

ファミリーミュージカルである。
アンサンブルナンバーが豊富である。

この辺りはディズニーミュージカルに共通する特徴ですが、その中でもMary Poppinsに近い印象をうける理由は、

この舞台が”家族の再生の物語”であるから。

Mary Poppinsでは、少し問題を抱えたバンクス家にナニーとして訪れたメリーポピンズが子供達を変えるだけでなく、間接的ながら父親であるジョージ・バンクス氏にも影響を与えるのです。
その結果、父親であるバンクス氏の家族との関わり方に変化が生まれ家族としての絆を強め、役目を終えたメリーポピンズとの別れで物語は幕を下ろします。
この構図はFinding Neverlandにも当てはめられますね。

ジェームス・バリ=メリー・ポピンズ
デイヴィス家=バンクス家
デュモリエ夫人(シルヴィアの母親)=ジョージ・バンクス

シルヴィア・デイヴィス、デイヴィス家の母親である彼女はバートとミセス・バンクスが合わさったような存在でしょうか?
そのシルヴィアにメリーポピンズのオリジナルキャストであるローラ・ミシェル・ケリーが配役されているのはおそらく偶然じゃない。

父親をなくし精神面だけでなく経済的にも苦しい状況にあるデイヴィス家がジェームス・バリとの交流を通じて前向きに生きる希望を取り戻していく。
最初、ジェームスを心良く思っていなかったデュモリエ夫人も娘と孫達が明るさを取り戻す過程にふれることで、最後にはジェームスの存在を認めます。

一つ大きく違う点は、最後にメリーポピンズ的な存在であるバリ氏が家族に加わり、母親のシルヴィアが死という形で家族のもとを去ること。
(どちらも去るのはローラ・ミシェル・ケリーなのですw)
演出がドラマチックな分、Finding Neverlandのラストには涙を流す人も多いようです。
それでも劇場を後にする時に胸に残るのは爽快感。
そのあたりもMary Poppinsだなぁと感じます。

 - Finding Neverland, Mary Poppins, Musical