トニー賞2018予想!
2018/06/10
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一度やって見たかったw
今年はミュージカルの作品数が少ないこともあって、ノミネート作品は一応全部見終えているのでちょうど良い機会でもあるかな。
(一応としたのはPrince of Broadway は日本上演時、Mean Girls はワシントンDCでトライアウト上演時に見たから)
ノミネート作品のリストはPlaybillから拝借しました。
各作品のノミネート数は以下の通り。
Mean Girls – 12
SpongeBob SquarePants: The Musical – 12
The Band’s Visit – 11
Rodgers & Hammerstein’s Carousel – 11
My Fair Lady – 10
Once On This Island – 8
Frozen – 3
Summer: The Donna Summer Musical – 2
今シーズンの対象作品でノミネート0なのはEscape to MargaritavilleとPrince of Broadwayの2作品。
Mean GirlsとSpongebobのノミネート数の多さには驚いたが、そもそも作品数が少ないからということが大きい。去年はノミネート有りが11タイトル、ノミネート無しが7タイトルもあったから。
以下、師匠にならって予想★と希望●に印をつける
Best Musical
The Band’s Visit ★
Frozen
Mean Girls
SpongeBob SquarePants: The Musical ●
まずFrozenは無い。そもそも狙ってもないかと。ファミリーミュージカルとして、そつなくまとめたなという印象。
ノミネート数の互角っぷりから判断するにFrozen以外の3作品の三つ巴の戦いか。
Mean Girlsはトライアウトを見た印象では微妙だったが、WIKIにある曲名を見る限りかなりのナンバーを入れ替えてきているし、大幅に良くなった可能性も。
Spongebobはファミリーミュージカルではあるが、大人が見ても十分楽しめる内容で舞台セットも演出も凝ってる。個人的には一押し。(上の写真はSpongebobの開演前)
ただ、この2タイトルは作品賞を獲るタイプの作品では無さそうなのでThe Band’s Visitと予想するが、それなら去年のCome From Awayにあげてくれと思うが、他作品との巡り合わせは運としかいいようがないな。
Best Revival of a Musical
My Fair Lady
Once On This Island
Rodgers & Hammerstein’s Carousel ★●
数は3タイトルと少ないが、今年は新作よりリバイバルの方が粒ぞろい。リバイバル3作品は感想を記してあるのでリンクしておく。
ちなみに3作品とも現代の感覚ではとても共感できない内容だが、My Fair Ladyはエンディングに手を入れてある程度合わせてきている。
どれも演出が凝っていて素晴らしい出来だが、Once on This Islandは残り2つに比べると1幕物で規模も小さいので受賞はなさそう。
My Fair LadyとCarouselの一騎打ちだが、軍配はCarouselに上がりそう。感想にも書いたが、My Fair LadyはCarouselに比べるとキャストが弱い印象が拭えない。
Best Book of a Musical
The Band’s Visit, Itamar Moses ★●
Frozen, Jennifer Lee
Mean Girls, Tina Fey
SpongeBob SquarePants: The Musical, Kyle Jarrow
Spongebobは映画版ドラえもん的脚本で、それで問題ないけど受賞は無さそう。
Frozenは演出の都合でオラフがLet it goの前に登場したりするあたりどうなの?
Mean GirlsとThe Band’s Visitはほとんど映画のまま。それなら映画の脚本も担当したTina Feyが取るべきな気がするが、イスラエルとアラブの交流的内容が今の時代に評価されてThe Band’s Visitと予想。
Best Original Score (Music and/or Lyrics) Written for the Theatre
Angels in America, Adrian Sutton
The Band’s Visit, David Yazbek ★
Frozen, Kristen Anderson-Lopez and Robert Lopez
Mean Girls, Jeff Richmond and Nell Benjamin
SpongeBob SquarePants: The Musical, Music & Lyrics: Yolanda Adams, Steven Tyler & Joe Perry of Aerosmith, Sara Bareilles, Jonathan Coulton, Alex Ebert of Edward Sharpe & The Magnetic Zeros, The Flaming Lips, Lady Antebellum, Cyndi Lauper & Rob Hyman, John Legend, Panic! at the Disco, Plain White T’s, They Might Be Giants, T.I., and Domani & Lil’C ●
ノミネートされているAngels in Americaはストレート部門だけど見ているが、受賞まではなさそう。
個人的にはSpongebobだが1曲ずつ別の人間が書いているから、これもなさそうか。受賞すると壇上が作品賞かと思う状況になりそうだしw
Lopez and Robert Lopezは好きだがFrozenはそこまでの出来ではないかと。追加曲微妙だし。
The Band’s Visitはアラブ調の楽曲がミュージカル的には新鮮かつ心にしみる名曲揃いで、これが受賞かな。
Best Performance by an Actor in a Leading Role in a Musical
Harry Hadden-Paton, My Fair Lady
Joshua Henry, Rodgers & Hammerstein’s Carousel ★
Tony Shalhoub, The Band’s Visit
Ethan Slater, SpongeBob SquarePants: The Musical ●
ここは是非ともEthan Slaterに獲っていただきたい。
Spongebobというキャラクターの魅力は彼によるところが大きく、正直なところ降板後が心配なぐらい。それはファミリーミュージカルとしては欠点ともいえそうだが、そのぐらいハマっている。Frozenの2人が主演女優にノミネートされていないとは対照的だが、ロングランやツアー展開を考えるファミリーミュージカルとしては個性を押し出さないFrozenが正解ともいえる。
The Band’s VisitのTony Shalhoubは演技は良かったがほぼ歌わないので、さすがに受賞はないのでは?
前述の通りMy Fair Lady全体として流石はオリジナルキャスト!と唸らせる役者パワーは弱いと感じるので、Harry Hadden-Patonもない。
CarouselのJoshua HenryがEthanの大きなライバルで予想としては彼が受賞しそう。実際、歌は素晴らしくそこはEthanにはないところ。
キャラと作品に大きく貢献したEthan Slaterを取るか、安定した実力でJoshua Henryが評価されるか、難しいところ。
Best Performance by an Actress in a Leading Role in a Musical
Lauren Ambrose, My Fair Lady
Hailey Kilgore, Once On This Island ●
LaChanze, Summer: The Donna Summer Musical
Katrina Lenk, The Band’s Visit ★
Taylor Louderman, Mean Girls
Jessie Mueller, Rodgers & Hammerstein’s Carousel
通常、それぞれのカテゴリは4,5枠であるが主演女優に関しては6人ノミネートされている。ということはここは激戦区なのだろう。
まずMean Girlsからケイディ役のErika Henningsenではなくレジーナ役のTaylor Loudermanがノミネートされているのが面白い。実際W主役みたいなものだが、両方ではなくTaylor Loudermanだけノミネートなのは見た感想としても分からなくはない。ただTaylorは好きだけど受賞はないかな。主役を食うほどの怪演という感じでもなかったし。ケイディがパワー不足なだけ。とはいえこれは脚本の問題かもしれない。
繰り返しになるがMy Fair Ladyの主演2人の印象は悪くはないが惜しいというか足りない。リバイバル作品の場合、これまでの同役俳優や映画版などとの比較は免れないが、少なくとも観劇中はその比較を許さないパワーが必要。そんな事を観劇中に考えさせてしまうLauren Ambroseもない。
Jessie Muellerはこの手の作品と役にあってないのでは?という事前の印象からすると断然良かったけど、Carouselのメインキャストの中では一番印象が薄い。
SummerのLaChanzeはOnce on This Island初演時のTi Moune役だそうで、リバイバル版で同役のHailey Kilgoreと共にノミネートされているのも運命かもしれない。作品がぱっとしないのに枠を増やしてまでノミネートされているわけだから、彼女も評価が高いのだろうが受賞はないだろう。作品力が弱すぎだし。
Hailey Kilgoreは作品を引っ張っている感もちゃんとあって好印象だが、The Band’s Visitでの貫禄と存在感が凄かったKatrina Lenkと予想。
Best Performance by an Actor in a Featured Role in a Musical
Norbert Leo Butz, My Fair Lady ★
Alexander Gemignani, Rodgers & Hammerstein’s Carousel
Grey Henson, Mean Girls
Gavin Lee, SpongeBob SquarePants: The Musical ●
Ari’el Stachel, The Band’s Visit
イマイチ印象が弱いMy Fair Ladyのメインキャストの中で唯一存在感があったのがNorbert Leo Butzで受賞しそうな気がするのだが、Gavin Leeも捨てがたい。
Gavinは4本足という状態であれだけのタップを見せてくれたのは流石。この2人は甲乙つけがたいが、作品びいきでGavin推し。
CarouselのAlexander Gemignaniもミスタースノウをコミカルに演じていたのが印象深い。
Escape to Margaritavilleがノミネーション0なのは納得ではあるが、ここにEric Petersenを入れてあげても…無理か。でも彼は良かったよ。SBのパトリックにそっくりwだが存在感あった。
Best Performance by an Actress in a Featured Role in a Musical
Ariana DeBose, Summer: The Donna Summer Musical
Renée Fleming, Rodgers & Hammerstein’s Carousel
Lindsay Mendez, Rodgers & Hammerstein’s Carousel ★●
Ashley Park, Mean Girls
Diana Rigg, My Fair Lady
Carouselの2人どちらかのはず。
キャリー役のLindsay Mendezは前述のミスタースノウ役Alexander Gemignaniと息の合った演技で、どうしても好きになれない物語中で一服の清涼剤となっていたのが印象深く、彼女を押すが、ネティ役のRenée Flemingも素晴らしかった。
Best Scenic Design of a Musical
Dane Laffrey, Once On This Island
Scott Pask, The Band’s Visit
Scott Pask, Finn Ross & Adam Young, Mean Girls
Michael Yeargan, My Fair Lady
David Zinn, SpongeBob SquarePants: The Musical ★●
ここはSpongebobで決まりかと。
雰囲気を出すために客席まで飾り付けを行い、ツアーのことは一切考えていないのでは?と思わせる舞台セットを用意。お金も相当かけているはず。
Best Costume Design of a Musical
Gregg Barnes, Mean Girls
Clint Ramos, Once On This Island
Ann Roth, Rodgers & Hammerstein’s Carousel
David Zinn, SpongeBob SquarePants: The Musical
Catherine Zuber, My Fair Lady ★●
これも普通に考えればMy Fair Lady。
Once on This IslandやSpongebobの工夫も評価されているのだろうが、さすがにノミネート止まりかな。
Best Lighting Design of a Musical
Kevin Adams, SpongeBob SquarePants: The Musical ★●
Jules Fisher + Peggy Eisenhauer, Once On This Island
Donald Holder, My Fair Lady
Brian MacDevitt, Rodgers & Hammerstein’s Carousel
Tyler Micoleau, The Band’s Visit
正直、照明のことは良くわからない。
が、深海をイメージさせるためにパープルを基調としたSpongebobにはなるほどね!と感じた。
他があるならCarouselか。現世と死後の世界を照明の表現で上手く分けていた。
Best Sound Design of a Musical
Kai Harada, The Band’s Visit
Peter Hylenski, Once On This Island
Scott Lehrer, Rodgers & Hammerstein’s Carousel ★
Brian Ronan, Mean Girls
Walter Trarbach and Mike Dobson, SpongeBob SquarePants: The Musical ●
音響デザインに関しても分からない。参考までに音響デザイン部門はなぜトニー賞から消えたのかを貼っておく。今年復活したようだ。
先のリンクを読んだ上で考えると、この中ではCarouselがとても聞きやすく、歌とオケを堪能することができた。
ここで評価されるべき事柄か?判断できないのだが、Spongebobには舞台下手に効果音担当のパーカッショニストがいる。
リンク先動画を5:15あたりから見てもらえば分かるが、スポンジボブが歩く音など様々な箇所に効果音をリアルタイムで付けているわけ。
一部はシンセで作った音だが、大半はカウベルやスライドホイッスルなどアナログな楽器をとても上手く使っている。
個人的には「効果音をパーカッションでリアルタイムにつける」というアイデアがSpongebob評価の3分の1を占めているwので、これを音響デザインといえるならぜひ受賞してほしい。
Best Direction of a Musical
Michael Arden, Once On This Island
David Cromer, The Band’s Visit
Tina Landau, SpongeBob SquarePants: The Musical ●
Casey Nicholaw, Mean Girls
Bartlett Sher, My Fair Lady ★
ここもアイデア満載SpongebobのTina Landauに獲って欲しい。
子供が喜びそうなピタゴラスイッチ的な大掛かりなセットがある反面、スリンキーのようなチープな小道具なども満載。他にも子供も騙されないようなくだらない表現(手が伸びる事を表すのに「壁の後ろに手を入れると反対側から別人が手を出す」など)も巧みに利用し、とにかくエンタメに徹底している。
プロジェクションマッピングも立体物であるセット上に投影するなど上手く使っているし、必然性も感じられて好印象。
一方、Mean Girlsでは舞台後方のバックスクリーン一面に映像が映し出されるが、こちらはツアーを意識してセットを抑えている感がありありなのが対照的。
が、どうしてもエンタメ作品は賞レースに弱いイメージがあるので、予想としては古典であるMy Fair Ladyを現代にマッチさせたBartlett Sherになってしまう。
Best Choreography
Christopher Gattelli, My Fair Lady
Christopher Gattelli, SpongeBob SquarePants: The Musical
Steven Hoggett, Harry Potter and the Cursed Child, Parts One and Two
Casey Nicholaw, Mean Girls
Justin Peck, Rodgers & Hammerstein’s Carousel ★●
ここはCarouselで間違いなさそう。
Carouselはとにかく踊りまくる。素晴らしく見応えがあり満足度も高い。トニー賞パフォはいきなりダンスで度肝を抜かれたThe Carousel Waltzをお願いしたいが、メインキャストがほぼノミネートされているのに、彼らの歌がないアンサンブルナンバーはないだろうな。
Best Orchestrations
John Clancy, Mean Girls
Tom Kitt, SpongeBob SquarePants: The Musical
Annmarie Milazzo & Michael Starobin, Once On This Island
Jamshied Sharifi, The Band’s Visit
Jonathan Tunick, Rodgers & Hammerstein’s Carousel ★●
ここも技術的なことはよく分からない。
オーケストラが素晴らしかったCarouselかな。全て別の作曲家の曲をまとめ上げたSpongebobが評価されるということもありうる?
まとめ
今年は作品が少なくて弱冠寂しい印象は拭えないが、それでも良い作品はちゃんとあるのがBWの凄いところ。
たしかに去年は豊作だったが、リバイバルに関していえばBette Midler’s Hello, Dolly!という特殊な例外を除けば、今年の方が上。新作も数は少ないがSpongebob, The Band’s Visitは去年の良作とも戦える内容だと思う。もしかするとMean Girlsもそうなのかも。セールス的には一番だし。
俳優陣に関しても、去年より印象に残る人が多かったように感じた。ベンプラのような突出したハマり役がなかっただけで。
ノミネーション0はある程度予想された自体ではあるが、Escape to Margaritavilleはトニー賞授賞式前にクローズする可能性すらあるので、見たい人は先送り厳禁。
Summerはトニー賞にはほとんど絡んでないが、こっちはそもそもミュージカルファンを狙っておらずドナ・サマーのファン向け。ただこちらもグロスはそれほど良くないから長持ちするかは微妙か。
ここ数年対して期待していない作品の中から必ずお気に入りが出現しているので、事前の印象がイマイチでも渡米しない選択肢はないと強く感じる。なのでWEに全然行けないw
反論異論があればコメントお待ちしています。
いずれにしてもトニー賞授賞式が楽しみだ♪
おまけ
ストレートプレイは専門外だけど、今回Angels in Americaを見たので少しだけ。
こちらも11部門でノミネートは演劇部門では過去最多らしく、賞レースに中心なのだろう。Harry Potter and the Cursed Childも10部門だけど、リバイバルと新作で作品賞としては分け合う形で直接対決はなし。
とにかく他の作品は見ていないから予想もなにもないけど、ノミネートされている俳優達、Andrew Garfield, Nathan Lane, Susan Brown, Denise Goughは全員受賞してもおかしくないと感じた。
演出も素晴らしい。受賞してくれ。
ライバルのHarry Potter and the Cursed Childは見ていないし興味もないので、Angels in Americaを応援するよ!
2018/6/10追記
上の予想を書いた時点では12部門というSpongebobと互角のノミネート数にMean Girlsは微妙だったトライアウトから大きく化けたのかもとも考えたが、その後リリースされたキャストアルバムを聞いたり情報を見たりした結果、大幅な変更は無さそうだと判断。
であれば、新作ミュージカルに関してはThe Band’s VisitとSpongeBob SquarePants: The Musicalの一騎打ちで間違いないだろう。
Mean Girlsがたくさんノミネートされたのは新作の数が少ないからというのが理由じゃないかな。可能性があるのは作品賞ぐらいで受賞ゼロもありえそう。
それからノミネート発表以降の状況を見ているとかなりSpongebobに流れがきていると感じる。
Ethan Slaterの主演男優賞は確実なようにも見えるし、まさかの作品賞受賞もありうるのでは?と思わせる。
ここまで来たら、ぜひSpongebobに作品賞を獲って欲しい。
見た人の感想は驚くほどに好意的にもかかわらず、Spongebobのグロスはお世辞にも良いとは言えない現状。
4月下旬には4割を割り込むところまで落ち込む有様。トニー賞受賞で箔をつけないとまず冬は越せないだろうから…(正直なところ受賞しても厳しいかもしれません)
実際そこそこ受賞しそうだが、主演男優や演出、そして何よりも作品賞といった大きな部門で獲りたいところ。
主演男優は確率高いけどEthan Slater降板後のことを考えると、少しでもロングランするためにはやはり作品賞受賞の看板が必要かと。
それに作品賞を獲れば来年のトニー賞でもパフォーマンスが見られるかもしれないからね!
(作品賞を受賞した作品は翌年もパフォーマンスする権利が与えられる)