Once on This Island 予習はいかが?
2017/12/08
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11/9プレビュー開始、12/3にオープニング・ナイトを迎えたばかりの“Once on This Island”
2017-2018シーズンの新作は今のところ”Spongebob Sqarepants”, “The Band’s Visit”, “Mean Girls” を合わせた計4作品しか見ていませんが、その中ではイチオシ!
年末年始に渡米される方に一人でも多く観ていただきたいので、今回はネタバレ無しの紹介のみです。
公式サイトの紹介を読んで臨んだのですが、もう少し予習をしておいたほうが良かったかもw
大筋で振り落とされることはなかったのですが、細かいところで分からないところもあったもので。
筆者と同じく英語力が微妙な方はこちらWikipediaのSynopsisを読んでいったほうが良いかもしれません。
稚拙ながら以下に和訳を載せておきます。読みづらい箇所もあるでしょうが、そこはリンク先の原文をあたってみてください。
物語としては先の展開が読める内容ですし、ストーリーを知った上で見ても魅力が損なわれるタイプの作品ではないはず。
あらすじ
ある嵐の夜、アンティル諸島で少女が雷の音に怯えています。
少女を慰めようと、村の語り部はグランゾムのダニエル・ボゾーメと恋に落ちた小作農の娘ティ・モーンの話、活力と痛み、愛と悲しみ、約束と希望の物語を話します。
この物語では4人の神、大地の母アサカ、水の神アグウェ、愛の女神エルズリー、死を司る悪魔パパ・ゲーがアンティルの宝石と呼ばれる島、ハイチを統べ、そこでは貧しい小作農が神々を崇拝しています。(Prologue/”We Dance”)
闇の黒と呼ばれる小作農が島の片側に住み、グランゾムと呼ばれるフランスの農園主とその奴隷を起源に持つ肌の明るい子孫が反対側で生活しています。
ある日、アグウェは島に猛烈な嵐を解き放ち、悲惨な洪水が多くの村を押し流しました。
けれども、神々はティ・モーンをいう名の幼い孤児の命を洪水の波より高い木に引っ掛けることで救いました。
発見された彼女はママ・ユーラリーとトントン・ジュリアンに引き取られました。(“One Small Girl”)
数年後、成長したティ・モーンは神に祈り、願いを伝えます。村の近くの道路を疾走するよそ者達グランゾムの様になりたいと。(“Waiting for Life”)
彼女の願いを聞いた神々は笑いますが、エルズリーは彼女に愛を与えます。愛は何にも増して強力だからと。
気を悪くしたパパ・ゲーは愛と死のどちらがより強力夫証明すべく賭けを申し出ます。
アグウェは若きグランゾム、ダニエル・ボゾーメが嵐の中で事故に遭うようにしむけた結果、ティ・モーンはダニエルに出会い看病することになります。(“And The Gods Heard Her Prayer/Rain”)
他の小作農だけでなく彼女の両親までもが反対する中、ティ・モーンは侵入者である彼の回復を助けます。(“Pray”)
ティ・モーンはよそ者に恋をし、意識不明の青年の世話をしながら彼も自分を愛してくれるのではと思います。
パパ・ゲーがダニエルの命を奪いに現れた時、ティ・モーンはダニエルの代わりに自分の命を差し出し、彼は命をとりとめます。(“Forever Yours”)
激怒したパパ・ゲーは遅かれ早かれ戻ってくることをほのめかし去っていきます、彼女の命は自分のものであるからと。
トントンはホテル・ボゾーメのいるダニエルの家族を探して島の反対側まで出かけます。
戻ってきたトントンはダニエルの一族の物語を伝えます。四世代前、ナポレオンの時代に島に入植したアーマンドというフランス貴族の物語を。
アーマンドには妻がいたにもかかわらず数人の現地人と関係を持ち、その中の一人がボゾーメというナの息子をもうけたのです。
ボゾーメが成長した頃、地元の小作農とフランスの間に戦争が勃発します。
小作農はボゾーメの力を借りて戦争に勝利します。
ボゾーメはアーマンドをフランスへ追放しますが、去り際にアーマンドはボゾーメとその子孫に「魂は永久にフランスに焦がれるが、黒い血が永久に島に閉じ込めるだろう」と呪いの言葉を残します。
今日まで呪いは未来のボゾーメ達が自身のルーツを思い起こさせる小作農と疎遠になる原因となり(“The Sad Tale of the Beauxhommes”)、ダニエルの一族の者は青年を連れ帰ります。
涙ながらもダニエルを連れて行かれたティ・モーンは、両親に彼に後を追い結婚すると伝えます。
ティ・モーンの両親は渋々ながらも彼女を行かせます。(“Ti Moune”)
道中、ティ・モーンは女神アサカに出会います。アサカは彼女にダニエルを目指す旅で必要なものは全て大地が与えてくれるから心配することはないと言います。(“Mama Will Provide”)
ティ・モーンは島の向こう側まで旅をします。(“Waiting For Life (Reprise)”)
語り部は語ります。町までの困難な旅、窮屈な靴を履くことを強いられ、ホテルの門をくぐり抜けダニエルの部屋にたどり着くまでの物語を。(“Some Say”)
ダニエルは未だ歩くことができずティ・モーンのことも覚えていませんでしたが、彼の胸に傷があることを話すと彼女を信用しました。
共に過ごす二人にエルズリーは愛の贈り物を授けます。(“Human Heart”)
ダニエルは町の人間が裕福なボゾーメと貧しい小作農の有り得ない関係を噂(“Pray (Reprise)”)しても気にも留めません。
ダニエルはティ・モーンが周囲の裕福な娘と全く違うことに喜びを覚え、「結婚する娘がいるなら、愛する娘がいてもいい」と考えます。
ホテルでは舞踏会が催され、ダニエル家の友人の娘、アンドレア・デブローはグランゾムの目の前で恥をかかせてやろうと企み、ティ・モーンをおだててダンスを披露させます。
ティ・モーンは踊り上流階級から賞賛を得ますが、後にダニエルとアンドレアは婚約していることを知ります。(“When We Are Wed”)
自身の持つ責任を思い起こし、ダニエルは定められた結婚をしなければならないが、二人は永遠に恋人同士だと言い張ります。
ティ・モーンは打ちひしがれます。
再びパパ・ゲーが現れ、ティ・モーンに自分とダニエルの命を交換したことを思い出させますが、彼女がダニエルを殺せば契約は破棄できると告げます。
ティ・モーンはナイフを手にダニエルの部屋に忍び込みますが、未だ彼を愛しているため殺すことができません。愛は死よりも強いことが証明されたのです。
けれどもナイフを持つティ・モーンに気付いたダニエルは殺害の企てにショックを受け、ボゾーメは彼女をホテルの敷地から追い出します。
ティ・モーンは門の前で何日もダニエルを待ち続けます。
ダニエルとアンドレアは結婚し、古い伝統に従ってホテルの門の外の小作農にコインを投げます。
ティ・モーンはダニエルに呼びかけますが、彼は彼女の手にコインを置き去っていきます。
語り部は語ります。エルズリーが彼女の手を取りアグウェが安らかに溺れられるように準備した海へと導いたことを。
パパ・ゲーが彼女を優しく受け止めその身を海岸に戻すと、アサカは彼女を木へと変えたのです。(“A Part Of Us”)
成長した木は生命と愛の象徴となってホテルの門にひびを入れ、すべての身分の人々が一つになる助けとなりました。
彼女の遺産が別の小作農の娘と新しい若きグランゾム、ダニエルの息子をめぐり合わせ、二人は彼女の枝の下で遊びます。
語り部は再び語ります。小作農の娘が愛の力を示し島の人々を和解させた物語を。
物語は我々の記憶、許し、住む場所や信条にとらわれないことを助け、我々の人生こそが自ら紡ぎ出す物語となることを。
ミュージカルは終りを迎え、嵐に怯えていた少女は自分でも物語を語り始めます。(“Why We Tell The Story”)
※カッコ内はそのシーンの曲名です。
Once on This Island の魅力
Wikiによるとロミオとジュリエット、人魚姫をモチーフにしているそうです。
というわけで、バッドエンドです。それは序盤で十分予想できたので、こんなにもハマるとは思わなかった。
だって悲劇は好きじゃないから!
それに悲恋物が好きな方も、単にロミオとジュリエットをモチーフってだけでは泣けませんよね?
しかもセリフが少なく歌進行。(実はこれも苦手)
にも関わらず筆者を虜にしたOoTIの魅力は…
- ミュージカルではちょっと珍しい?トロピカルなサウンド(主観です)
カリブ海の島が舞台とあってか悲恋物の割に明るい曲が多く、悲劇とはいえ全体としては爽やかな印象です。
そしてパーカッシブなサウンド。コンガソロをバックにしたダンスシーンがあるのですが、これがカッコイイのなんのって!
リバイバルなのでオリジナル版のサントラが出ていますが、オケの編成も変わって結構印象が違います。
今回のサウンドが好きなのでリバイバル版のキャストアルバム発売を切に願います。
作曲のStephen Flahertyは現在上演中のAnastasiaの楽曲を手掛けた方でもあります。 - 作り込まれた舞台セット
上演されているのはCircle in the Square Theatre 、ここはFun Home, In Transit が上演されてきた座席数約700の円形でコンパクトな劇場なので後方列でもそれほど遠くは感じません。
前回In Transit を見た時も縦に長いステージを上手く使った舞台セットが印象的でしたが、今回は舞台を島に見立て客席後方まで使って生活感溢れる雰囲気を演出しています。
これ以上は…是非劇場で見てください!トレーラーも見ないでいくのがオススメ。
一つだけアドバイスするなら、劇場にはなるべく早く行って開場後すぐに着席しましょう! - 考え抜かれた演出
演出家はMICHAEL ARDEN、2015年BWリバイバルのSpring Awakening (残念ながら未見) を演出された方で、ツイッターを見ていると日本のミューオタにも人気があるようですね。
個人的には演出に一番感銘を受けました。
島を表現するために用意したアレを上手く利用して2つの社会階層の隔たりを表現していたのですが、場面が町に変わる時の…ああっっっこれ以上は言えませんw
意外に豪華な出演者
公式サイトのキャスト紹介の一番上は”四人の神々”です。
あまりキャストにこだわりがないのでレア様が出ていることしか知りませんでしたが、レア様の隣に並ぶのはGLEEのユニーク役のALEXだよ!
オーディション番組から見ていたのに劇場では認識できず、日本に帰ってきてから気づきました。
他の2人も有名な方のようです…(ってオイ、そんなんでいいのか?)
とはいえ、この作品は極端に言えば主役のティ・モーン以外は皆アンサンブルといっても良い感じで、次に大きな役は確かに上の四人の神々ですが、単独での見せ場はないと言ってもいい。
神々はティ・モーンの前に現れるわけですし。
ティ・モーン役のHAILEY KILGOREは今作がBWデビュー、まだ19歳!の新人とあってキャスト紹介でも一番下に位置しています。
主役で新人を抜擢した代わりに、神々にはレア様を筆頭にお客さんが呼べるキャストを配置したんでしょうね。
ですがHAILEY KILGOREはとても良かった。歌もダンスも上手くて存在感もたっぷり。
正直レア様目当てだけでは満足できない(出来ではなく出番の問題)と思いますが、彼女が十二分に見せてくれます。
きっと主演女優賞にノミネートされるよ!