マイファニー・レディ She’s funny that way.

   

アステアのCheek to CheekをBGMに始まるこの映画。
いきなりミューヲタのツボを突いてくる。
そしてコレ。

“I believe in happy endings, and it’s the only thing that’s ever made sense to me.”
「ハッピーエンドが最高。ハッピーエンドにこそ価値があるのよ!」

冒頭の主人公の言葉にヤラれた。
そうなんだ。ハッピーエンドが見たいんだ。
流石にハッピーエンド以外は無価値だとまでは言わないけど、辛いことや悲しいことは現実社会だけで十分。
お伽話といわれても、物語を楽しむときは幸せな気分に浸りたい。
特にミュージカルを見る時には強く思うのです。
お金と時間、手間隙かけてはるばるBWまでやってきて、いくら名作でも暗く悲しい話よりは明るく楽しく笑えるミュージカルが最高じゃない?

…映画の話でした。

主人公のイギーは白黒の名画が大好き!という設定で、映画好きなら分かるネタがふんだんに散りばめられています。
だけどこの映画はシアターゴーアーにもおすすめです。
ハリウッドの新星イジーは元コールガール、インタビューを受ける彼女の回想で物語は進みます。
イジーがコールガールから女優へステップアップするきっかけが語られるのですが、これがBWでの舞台(多分ストレートプレイ)なのです。
上演されるのはベラスコ劇場。

ここはニール・パトリック・ハリスのHedwig and the Angry Inchが上演された劇場です。
ヘドウィグ見たかったなー。
けど前売り買えずにロトにチャレンジするもあえなく撃沈(100人以上いた)、結局見られませんでした。
いや300ドルの席はあったんですけどね、ニールは見たいけどヘドウィグはどうしても見たいって程じゃなかったから。
hedwig01

また話がそれましたが、他にもミューヲタがニヤリとするようなネタが色々と出てきます。

登場人物の関係は複雑に絡み合いドロドロしたメロドラマになっても良さそうなんですが、とにかく面白おかしく物語は進み…とことん笑わせてくれるのです。
もちろん最後はハッピーエンド。一人だけ微妙な人もいるけどw
時には矛盾するようなイギーの話に鋭く突っ込み、おそらくはイギーに好感を抱いいてはいなかったであろうインタビューアーも、いつの間にか彼女のペースに引き込まれていく。
彼女も我々と同じ観客の一人なのでしょう。

イギー役のイモージェン・プーツも魅力的なんだけど、フレンズで好きだったジェニファー・アニストンが演じるセラピスト、これがまた良かった。
すぐに切れて恋人やクライアントに”You’re fired!”と言い放つ。
どんなセラピストだよw

映画館でも見たんですが、レンタル開始になったのでさっそく借りてきました。
やっぱり面白い。
特にメッセージなどはなく、人によっては物足りないのかもしれませんが、娯楽なんだからいいじゃない。
時間も90分と短めでサクッと楽しめます。
とにかくミューヲタの皆さんにも是非見て欲しい。

“They go to the theater to escape.”
「みんな現実を忘れるために劇場に行くのよ」

つかの間の夢を見せてくれるのがミュージカル。
どうせ見るなら楽しい夢がいいよね!

公式サイト http://www.myfunnylady.ayapro.ne.jp/

 

 

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