MJ the Musical

      2022/05/28

もろにファン世代だけどマイケルのことそんなに…というか思ったより知らなかったw

まず最初に知らない曲が結構あった。世代だしThrillerとBadだけアルバム聞いときゃ大丈夫だろ!とたかをくくっていたけど、多分3,4曲は聞き覚えがなくて驚いた!逆にジャクソン5時代の曲は全部知ってた。Dangerousツアーのリハーサル中にスタッフや取材撮影する外部の人間との絡みを通じて自身の過去を振り返る形式で物語は進んでいくジュークボック・ミュージカル。いわゆるジュークボック・ミュージカルには過去の楽曲だけを利用しそのアーティストとは関係ない物語を描くマンマ・ミーアなどのタイプと、特定のアーティストをとりあげその過去を伝記的に描くジャージー・ボーイズなどのタイプの2種類があるが、MJは後者のタイプ。伝記系ジューク・ボックスミュージカルの場合、そのアーティストのヒット曲をちりばめるために歌のシーンはリハーサルやコンサートの場面を切り取っていて登場人物の心情を歌い上げたり、曲で物語が進行することは少なくなるのだが、MJは意外にもMichelleではない登場人物、マイケルの両親や取材するリポーターやベリー・ゴーディやクインシー・ジョーンズなどが楽曲を歌う場面が多い。もちろんその場合は曲はリハーサルシーンではなくそのキャラクターの思いや物語の流れに沿ったものになるのだが、そのシーンに聞き覚えがない曲が多かった。そこでシーンに合わせた曲を入れるために知名度的には低い楽曲をセレクトする結果になったのではないかと思ったのだ。まあ私がマイケル度が低いだけで大多数の人は知っているのかもしれないがw

この手のジュークボックス・ミュージカルを見に行くと、当然ミュージカルファン以外にそのアーティストのファンも客席にいて、あちこちから舞台に合わせて一緒に歌詞を口ずさむ歌声が聞こえてきたりしがちなのだが、1幕が終わった時点ではそういうこともなくまだ開幕から日も浅く状況的にも観光客は少ないからかな?と思ったのだが、観劇後にはどちらかといえば客席が期待するヒットパレードになっていないからではないかと考えた。それはシーンに合わせた曲を入れようと努力したことにより客席が期待するヒットパレードになっていないのが原因だと思う。例えば同じ伝記系のジャージー・ボーイズでは曲のシーンはだいたいTVのショーやコンサートシーンで物語の状況に合わせたシーンはそんなにはない(December 1963とBeggin’ぐらいか?)ちなみにジャージー・ボーイズはFour Seasonsの存在すら知らない状態で見に行き、「君の瞳に恋してる」以外1曲も知らないのではないかと危惧していたが他にも数曲は聞いたことがあるナンバーがあった。それ以外にもクインシー・ジョーンズとの出会いがあって1幕のラストはスリラーに違いない!と思いきやそのメロディーが流れダンサーの振り付けにも見覚えがあるアレが出てくるがそこではそのままスルーされてインターミッションに入る。結局2幕の後半にスリラーはやるんだけど逆に振り付けはアレじゃない。他にもスムースクリミナルはあるけど斜めのポージングはないとかあえてなんだろうけど客席の期待を外してくる。そうか!客席の民度が高いわけではなくいまいち乗り切れないのだ。じっさい手拍子したい観客の音がパラパラ聞こえてきたりMan in the Mirrorでは若干歌っている人もいた。つまりは物語やミュージカル的なつくりに振ったためにジューク・ボックスミュージカルとしては王道ではなくなり客席のニーズとズレが生じているのだろう。まあミュージカルじゃないけどマイケル物としては、前にスリラーライブという完コピのコンサート・ショーがあるので今回は物語重視なのかもしれないが、ロングランするかは疑問かな。

とはいえ、楽しめなかったわけではなくアンサンブルを含めすべてのキャストのレベルの高さやキレッキレのダンスは見ごたえがあり、そこは大満足。あとバンドの音も迫力があってとても良かった。昨日見たSixで唯一の不満がバンドの音が薄い気がすることだったが、MJをみてやっぱり音は迫力不足だったんだなと再認識した。

  • マイケルの赤いジャケットを着た二人組のおばさんを見かけた。きっと他にも色々いただろうw
  • ショーは開演のアナウンス前から始まっているので定刻の10分程度前には着席しておいたほうが良いです。

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