Almost Famous
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ほぼ映画通りの展開だった。巷では元の映画は評価が高くて名作扱いのようだが、予習で見たところ私にはそれほど響かなかった。演出的にも目立った特徴はなく1幕終了時点では微妙だな…という感想。だけど最後まで鑑賞するとなんだかんだでそれなりに楽しかったと感じたのはミュージカルというフォーマットがもつエンタメとしてのパワーだろうか?原作映画は淡々と進んで行くが舞台版はさすがに各シーンを歌で盛り上げるわけだし、よくある演出だがバンドのライブシーンでは客席にいるミュージカルの観客がライブの観客になるわけで映画に比べると入り込みやすい。ラストのカテコではJUKEBOX系でお約束のもう1曲もある。まあミュージカルオタクだから何でもそれなりに楽しめるというのはあるw
印象に残ったのが、母親の存在感が映画に比べて増していたこと。2幕の序盤で2曲ほど彼女の歌があるのだがどちらも面白い。彼女は大学教授なのだが、自分の授業中に上の空で息子がロックスターに誘拐されたと嘆く曲は良かった。もう1曲は息子ウィリアムがツアーに同行しているバンドSTILL WATERのギタリストであるラッセルに説教を噛ます歌w
楽曲といえば、映画では劇中で描かれる時代の既存曲が使われていたが、ミュージカル版はSTILL WATERの曲も各シーンのミュージカル曲もすべてTom Kittが担当している。Tom Kittは割と好きなんだが、今回は先程あげた母親の曲以外は初見で印象に残るナンバーはなかったかな。
あと残念だったのがキャスト。
まず主人公のウィリアムは大学受験を控える高校生なのだが飛び級していてまだ15歳という設定。この作品は2019年にトライアウトを行っており本来なら2020年頃にBW入する予定だったのだろう。だがその後のパンデミックでBWはシャットダウン。今回のBW版でもトライアウト時の俳優が出演しているが、やはりそこまで若くは見えなくて、その結果ペニーたちグルーピーに誂われ振り回される場面なども本来あるべきイメージからはズレて見えてしまうのはどうしようもない。子役の成長は早いから本人の責任ではないのだが。あと重要な役どころはペニーとラッセルだが、両者共に他のグルーピー仲間やバンドメンバーに比べて突出している感がなかった。(ラッセル役はトライアウト公演から変わっており前の人が良かった言う意見も聞いた)この2人に比べると母親役の方がキャラ立ち含めて良かったと思う。
正直ロングランは厳しいのではないだろうか?トニー賞前に終わっても驚かない。