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1776 | ミュージ"かる"の部屋
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枠の問題と「第2回大陸会議でアメリカの独立宣言が採択されるまでを描いた物語」という題材から予想される難易度の高さから見るかどうか決めかねていた作品。悩んだ末にDiane Paulus演出(正確にはJeffrey L. Pageとの共同演出)に惹かれて見ることにしたが外さなくてよかった。一応あらすじをさらったりの予習はしていたのだが、今回の再演についてはイマイチ把握していなくて根本的なところで勘違いをしていた。キャストは「トランスやノンバイナリーの方を含め、様々な人種で構成されている」と思っていたのだが、そうではなく「トランスやノンバイナリーの方を含め、様々な人種の”女性“で構成されている」のだ。
ただ怪我の功名というか、それを知らなかったおかげで冒頭の演出をよりインパクトを持って受け止めることができた。

客席に入ると舞台上にはカーテン形式の幕の前に靴が並んでいる。開演とともに出演者によって幕が開けられると、黒いズボンを履いて上着を手に持ちスニーカーなど現代の靴を履いたキャストが舞台上に現れる。それから手に持った上着をマントのように皆で一斉に羽織ると舞台手前に並ぶ靴の手前まで歩いてくる。そこで靴を履き替え黒いズボンを膝下までたくし上げ、白いソックスをそこまで上げると、大陸会議に参加する各州の代表者が現れるのだ。この一連の流れがカッコよくて!、ヅカかよ!と声を上げそうになったのだw 実際日本のミューオタなら宝塚的なものを感じる人は多いと思う。最も観客の大多数は宝塚なんて知らないわけだが。この部分はDiane Paulusの演出じゃないだろうか?再演版PippinのOPナンバーやFinding Neverlandのラストのキラキラなんかもそうだが、彼女はこの手のあっと驚く場面を作り出すのが本当に上手い。

要は一般的な演劇形態のように神の視点、世界の外側から物語を見るのではなく、現代の女性、トランス、ノンバイナリーが行う演劇をこれから見てもらいますという宣言であって、彼女たちの現実社会での自分たちの権利獲得のための戦いをアメリカ建国の歴史を語る形を借りて表現しているのだろう。その証拠に後半の建国宣言の草案を読み上げる場面のバックでは映像が流れるのだが、そこに映されるのは当時ではなく現代までの合衆国の姿である。

  • 途中指揮者が女性であることに気付いたので、オケも全員女性に違いない!と確信したのだが、終演後チェイサー演奏中にオケピットを覗きに行くとそんなことは無かったw
  • ジョージア州代表役のEryn LeCroyがトーマス・ジェファーソンの妻のマーサを兼ねていたのだが、マーサ役の時の方が男性役の時より背が高く見えた。靴のせい?マーサの時の靴はスカートで見えなかったが…
  • マーサには1曲持ち歌があるのだがこれがめちゃめちゃ上手かった。あとで経歴を調べていたらオフのSweeney Toddにジョアンナ役で出演していてPlaybillを確認すると彼女で見ていたようです。あの時も全員歌ウマだったわ。
  • Finding Neverlandのミセス・デュモリエ役で見たCAROLEE CARMELLOが出ていて、存在感抜群で相変わらずうまかった。そういえば彼女もオフのSweeney Toddにミセス・ラヴェットに出ていた。

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