魔法にかけられて2 Disenchanted
2022/12/19
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ディズニー映画「魔法にかけられて Enchanted」の15年ぶりにとなるパート2。主人公ジゼル役のエイミー・アダムスやイディナ・メンゼルなどキャストはそのまま、楽曲も前作と同じアラン・メンケンとスティーブン・シュワルツが手掛けている。続編が元の作品を超えることはめったにないので特別期待していたわけではないが…それにしてもコレはないのでは?最初から最後まで突っ込みどころ満載というか疑問だらけだった。
本編を見ながら浮かんできた疑問は主にこんな感じ
- ジゼルは前作でおとぎ話の世界の住人としての価値観に疑問を抱き、最終的に現実社会で暮らすことを選んだにもかかわらず、ちょっと理想と現実のギャップにつかれた程度の理由で、アンダレーシアに見立てた郊外のモンロービルに現実逃避するなんて…(しかもモーガンの反対を押し切って)
- 更に15年も一緒に暮らしてきたのに親子喧嘩で継母呼ばわりされたぐらいで(しかも自分の失敗のせい)「おとぎの世界になればいい」と願うなんて、いったい前作の物語は何だったの?
- 全編にちりばめられたセルフパロディネタが面白くないわけじゃないけど悪ノリすぎるというかB級臭を感じる
- ミュージカル映画にCGバトルとかいらんだろう…
- ラストで家族はニューヨークに戻って再スタートするべきでは?
その後、口直しに前作の歌のシーンをつまみ食いしていたら忘れていたことも多かったので、もう一度冷静に見直してみると…
- ジゼルは前作でおとぎ話の世界の住人としての価値観に疑問を抱き、最終的に現実社会で暮らすことを選んだにもかかわらず、ちょっと理想と現実のギャップにつかれた程度の理由で、アンダレーシアに見立てた郊外のモンロービルに現実逃避するなんて…(しかもモーガンの反対を押し切って)
→続編で理想と現実の差に悩むのはよくある展開ではある… - 更に15年も一緒に暮らしてきたのに親子喧嘩で継母呼ばわりされたぐらいで(しかも自分の失敗のせい)「おとぎの世界になればいい」と願うなんて、いったい前作の物語は何だったの?
→継母と呼ばれることで「継母=意地悪な悪役」というおとぎ話のお約束に当てはめていく展開にするためだろうが、前作からの流れに疑問を感じるのは否めない - 全編にちりばめられたセルフパロディネタが面白くないわけじゃないけど悪ノリすぎるというかB級臭を感じる
→これは前作がそもそも過去のディズニー映画に対するセルフパロディー要素満載だったからその続編がこうなるのも当然だった - ミュージカル映画にCGバトルとかいらんだろう…
→これも前作に存在したw が、前作はミュージカル風なシーンはあったけどミュージカル映画じゃなかったからね。今回はミュージカル映画に寄せすぎたのかもしれない。 - ラストで家族はニューヨークに戻って再スタートするべきでは?
→この考えも変わらない。ジゼルとモーガンの和解はジゼルが大きく譲るべきで、結局ジゼルの望みのみが叶ったように見えるエンディングはちょっと受け入れがたい。そもそも前作ラストにはジゼルがマンハッタンでファッション事務所を立ち上げていたような描写があったわけで、どう考えてもジゼルの描写は退行している
落ち着いて考えれば前作を踏襲しているからこそこの内容になったと思える部分も多いのだが…
この物語で行きたいなら別のキャラクターを用意して新作にすべきだったのではないだろうか。個々のアイデアは面白いのだが「魔法にかけられて」の続編としてみるから納得がいかないのだ。
続編にした弊害は他にもある。
本当はジゼルの物語は前作で終わりにして、もっとモーガンメインの物語にすれば1や2の問題も感じにくいはずだ。実際モーガンが主役になる展開に進みそうになるのだが、結局ジゼルの存在が大きくなってしまうのも続編であり引き続きエイミー・アダムスが出演してからだろう。さらには前作では歌が無かったことである意味物議をかもしたイディナ・メンゼルも今回は流石に歌わせる必要があったようでw、結局エイミーに6曲、イディナにも2曲の歌を割り振った一方で主役になるはずのモーガン役のガブリエラには2曲(しかも彼女のメインは1曲)しか歌わせていない。
前作に比べて曲数が増えたにもかかわらずイマイチ楽曲の魅力が足りないように感じるのも物語に乗り切れないことが大きく影響しているのだろう。映画自体のミュージカル度が大幅にアップしているからこそ物語と楽曲を切り離して評価はできないというか…もう少しキャストアルバムを聞きこめば多少は印象が変わるかもしれないが。